
しづらい? しずらい? どっちが正しいの?

どっちを使っても通じるけど、正式な表記が気になる。
意外と知られていませんが、「しずらい」は本来の日本語では誤用なんです。
でも、なぜ間違いが広まったのか、理由を知ると驚くかもしれません。
そこで、今回は「しづらい」と「しずらい」の違いと正しい使い方について紹介します!
- 「しづらい」が正しい理由
- 「しずらい」が誤用される背景
- 使い分けのポイント
「しづらい」と「しずらい」の正しい表記とは?

「しづらい」と「しずらい」のどちらが正しい表記か、迷ったことはありませんか?
結論から言うと、正しいのは「しづらい」です。
では、なぜ「しづらい」が正しく、「しずらい」が誤りなのかを見ていきましょう。
それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
「しづらい」が正しい理由
「しづらい」が正しい理由は、動詞の活用ルールにあります。
「しづらい」は「する」+「づらい」から成る言葉です。
- 「する」は動詞の基本形
- 「づらい」は「しにくい」「難しい」という意味の補助形容詞
- 「づらい」は五段活用の動詞の連用形に接続する
このルールに従うと、「する」+「づらい」=「しづらい」となるのが自然です。
たとえば、「食べる」に「づらい」をつけると「食べづらい」となるのと同じです。
言葉の成り立ちから見ても、「しづらい」が正しいことが分かります。
「しずらい」が誤用される背景
「しずらい」という表記は、誤用としてよく見られます。
この誤用が広まった背景には、いくつかの理由があります。
- 発音が「しづらい」と似ているため
- 「ず」と「づ」の区別があいまいになりやすいため
- 「ずっと」や「まずい」など「ず」の単語が多い影響
特に口語では、「しづらい」と「しずらい」の発音がほとんど同じに聞こえることがあります。
そのため、書き言葉でも誤って「しずらい」と書いてしまうケースが増えてしまったのです。
文法的な根拠
「しづらい」が正しい理由を、さらに文法的な観点から見てみましょう。
日本語には「づ」と「ず」の発音・表記のルールがあります。
- 「づ」は「つ(ツ)」が濁った音として使われる
- 「ず」は「す(ス)」が濁った音として使われる
- 「する」は「す」が元の形なので、「ず」ではなく「づ」となる
このルールに従うと、「しづらい」が正しい形となります。
逆に「しずらい」と書くと、文法的に誤った形になってしまうのです。
次に、「しづらい」と「しずらい」の違いをさらに詳しく解説していきます。
「しづらい」と「しずらい」の違いを分かりやすく解説

「しづらい」と「しずらい」は、見た目はよく似ていますが、正しいのは「しづらい」です。
この二つの違いを理解するために、発音・表記・歴史的な観点から見ていきましょう。
これらの視点から詳しく見ていきましょう。
発音と表記の関係
「しづらい」と「しずらい」は、発音上ではほとんど区別がつきません。
実際に話すと、「しづらい」の「づ」と「しずらい」の「ず」は同じように聞こえることが多いです。
- 日本語の多くの方言では「づ」と「ず」を同じ発音で発音する
- 口語では「しづらい」と「しずらい」の区別がなくなりがち
- そのため書くときに「しずらい」と誤ってしまうことがある
つまり、音だけを頼りにすると「しずらい」と書いてしまうミスが発生しやすくなるのです。
「づ」と「ず」の使い分け
「づ」と「ず」の使い分けには、はっきりとしたルールがあります。
このルールを理解することで、「しづらい」が正しい理由も分かります。
- 「づ」は「つ」が濁った音
- 「ず」は「す」が濁った音
- 「する」の音は「す」なので「ず」ではなく「づ」が正しい
これを考えると、「しずらい」ではなく「しづらい」が文法的に正しいことが分かります。
日本語の歴史的変化
日本語の歴史の中で、「づ」と「ず」の発音は変化してきました。
特に、昭和時代以降「づ」と「ず」の区別があいまいになり、多くの地域で同じ発音になりました。
- 江戸時代までは「づ」と「ず」を区別する発音が一般的だった
- 明治以降、発音が統一され「づ」と「ず」の違いが薄れた
- 現在はほとんどの地域で「しづらい」と「しずらい」が同じ発音に
しかし、表記としては「しづらい」が正しい形として残っています。
次に、「しずらい」は間違いなのか、誤用の背景を詳しく解説していきます。
「しずらい」は間違い?誤用される理由とは

「しずらい」という表記は間違いですが、多くの人が使ってしまう誤用の一つです。
なぜ「しずらい」が広まってしまったのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
それでは、具体的に見ていきましょう。
「しずらい」の使用率と実態
「しずらい」は誤用ですが、実際には多くの人が使っているのが現状です。
実際の使用率を調査したデータを見てみましょう。
- 検索エンジンで「しずらい」を含む検索結果は数十万件以上
- SNSやブログでも誤用が頻繁に見られる
- 特に若年層や話し言葉の影響が強い場面で使われやすい
多くの人が「しずらい」と誤って使ってしまうことが分かります。
誤用が広まった主な原因
なぜ「しずらい」が誤用なのに広まってしまったのでしょうか?
その背景には、いくつかの原因があります。
- 発音上の違いがほとんどない
- 「ずっと」「まずい」など「ず」の単語が多く紛れやすい
- 「ずらす」などの単語と混同されやすい
- ネット上での誤用がそのまま拡散される
特に「ずらす」という単語の影響は大きく、「しずらい」という形が自然に思えてしまうのです。
誤用を避けるためのコツ
「しずらい」と間違えてしまわないようにするには、いくつかのポイントを意識すると良いでしょう。
以下のコツを覚えておくことで、正しく「しづらい」を使えるようになります。
- 「する」+「づらい」とセットで覚える
- 「ずらす」とは全く別の言葉だと意識する
- 書く前に「しにくい」に言い換えてみる(例:「しにくい」なら「しづらい」)
- 普段から正しい表記を意識する
特に「しにくい」と言い換える方法は、簡単で効果的です。
「しにくい」と自然に言える場合は、「しづらい」が正しい形だと判断できます。
次に、「しづらい」の正しい使い方について、具体的な例を見ていきましょう。
文章での「しづらい」の正しい使い方

「しづらい」は、話し言葉でも書き言葉でも使われる言葉です。
しかし、誤用が多いため、正しい使い方をしっかり理解しておくことが大切です。
それでは、具体的に見ていきましょう。
会話での自然な使い方
会話では、「しづらい」は主に「○○するのが難しい」「○○しにくい」という意味で使われます。
例えば、以下のような使い方が自然です。
- 「この服、動きづらいね」
- 「人が多くて歩きづらい」
- 「彼には本音を言いづらいな」
話し言葉では、特に「言いづらい」「話しづらい」「聞きづらい」などの表現がよく使われます。
書き言葉での適切な使用例
書き言葉では、「しづらい」を適切に使うことで、より明確な文章を書くことができます。
以下のような使い方が一般的です。
- 「この政策は実施しづらい状況にある」
- 「初めての場所では方向が分かりづらい」
- 「相手の意図が伝わりづらいメールは避けるべきだ」
特に、ビジネス文書や公式な文章では、「しずらい」と誤って書かないように注意が必要です。
誤用を訂正する方法
「しずらい」と間違えてしまった場合、どう訂正すればよいのでしょうか?
簡単なポイントを押さえれば、誤用を防ぐことができます。
- 文章を書いた後に「しずらい」となっていないかチェックする
- 「しにくい」に言い換えられるか確認する
- 辞書で「しづらい」が正しいことを確認する
特に、「しにくい」と言い換えられない場合は、誤用の可能性が高いです。
次に、「しづらい」の類語や使い分けについて詳しく見ていきましょう。
「しづらい」の類語と使い分け

「しづらい」には似た意味を持つ言葉がいくつかあります。
適切に使い分けることで、より自然で分かりやすい表現ができます。
それでは、具体的な違いを見ていきましょう。
「にくい」「がたい」との違い
「しづらい」と似た言葉に「にくい」や「がたい」があります。
しかし、これらには微妙な違いがあり、使い方に注意が必要です。
- しづらい:物理的・心理的に困難
- にくい:能力的・技術的に困難
- がたい:倫理的・心理的に受け入れがたい
例えば、「話しづらい」「理解しづらい」は自然ですが、「話しがたい」「理解がたい」とするとニュアンスが変わります。
状況別の使い分けポイント
「しづらい」「にくい」「がたい」を適切に使い分けるには、状況に応じた選択が重要です。
- 心理的な負担がある → しづらい(例:言いづらい、頼みづらい)
- 能力や技術の問題 → にくい(例:読みにくい、分かりにくい)
- 倫理的・道徳的に困難 → がたい(例:信じがたい、許しがたい)
このように、文脈に応じた使い分けが求められます。
文例で見る適切な表現
実際に使われる場面ごとに、正しい表現を見ていきましょう。
- 【しづらい】「この話は上司にしづらい」
- 【にくい】「この本は字が小さくて読みにくい」
- 【がたい】「彼の行動は信じがたい」
このように、言葉の意味を正しく理解し、適切に使い分けることが大切です。
「しづらい」と「しずらい」の違いを理解し、正しく使いましょう!

「しずらい」は誤用!「しづらい」が正しい表記です。
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